最初は20人
1988年1月24日カナダ・オンタリオ州ハミルトンにてロイヤルランブルというPPVが開催されました。ロイヤルランブル=王室の決闘のコンセプトは20人(のちに30人)参加の変則バトルロイヤルで最初に2人が戦い2分後に3人目が登場。その後2分毎にレスラーが登場して戦うというルールです。オーバー・ザ・トップ、つまりいちばん上のロープから落ちてリング下に足が付いたら失格です(これものちにいろいろと解釈されますが)。最後に残ったレスラーが勝者となります。
ランブルマッチの前に3試合ありますのでまずは第1試合から。リッキー”ザ・ドラゴン”スティムボートVS”ラビシング”リック・ルード。87年頃にWWE入りしてすでにキャラ立ちしてるせいかファンも理解してブーイングしているのが分かります。スティムボートは典型的なベビーだし分かり易い対戦ではありました。結果はスティムボートの反則勝ち。レッスルマニア3以降なんかスティムボートのモチベーションが下がってるのが気になりますが。
第2試合がWWE世界女子タッグ王座戦で王者はJBエンジェルス(山崎五紀&立野記代)。アメリカ人にとって日本人は外国人だからブーイングがとぶかと思ったら大声援。まあどう見てもJBはベビーですけどね。試合はJBの快勝。まあ日本の女子レスラーのレベルは遥かに高いから当然の結果なんですが。
第3試合が実はランブルマッチなんですが、先に第4試合を紹介します。アイランダーズVSヤング・スタリオンズ。…なんて地味なカードなんだ…。ちなみにこのあとハルク・ホーガンとアンドレ・ザ・ジャイアントが登場して2月5日に行なわれる”サタデー・ナイト・メインイベント”での対戦のための調印式が行なわれることになります。おそらくこれが今大会の見せ場だったのかも。
それではランブルマッチです。1回目のランブルマッチの参加選手は20人でした。実験的な意図もあったのでしょう。ホーガンやアンドレといった主力が参加していないのもそのためみたいだし。
1.”ヒットマン”ブレット・ハート(8、ハクソー・ジム・ドゥガン)
2.ティト・サンタナ(1、ブレット・ハート&ジム・ナイドハート)
3.ブッチ・リード(6、ヒルビリー・ジム)
4.”アンビル”ジム・ナイドハート(5、ヒルビリー・ジム)
5.ジェイク”ザ・スネイク”ロバーツ(10、ワンマン・ギャング)
6.”ザ・キング”ハーリー・レイス(3、ドン・ムラコ)
7.”ジャンピング”ジム・ブランゼル(4、ニコライ・ボルコフ)
8.サム・ヒューストン(7、ロン・バス)
9.ダニー・デービス(13、ハクソー・ジム・ドゥガン)
10.ボリス・ズーコフ(2、ジェイク・ロバーツ)
11.“マグニフィニセント”ドン・ムラコ(17、ディノ・ブラボー&ワンマン・ギャング)
12.ニコライ・ボルコフ(11、ハクソー・ジム・ドゥガン)
13.ハクソー・ジム・ドゥガン(優勝)
14.”アウトロー”ロン・バス(16、ドン・ムラコ)
15.ブライアン・ブレアー(9、ワンマン・ギャング)
16.ヒルビリー・ジム(12、ワンマン・ギャング)
17.ディノ・ブラボー(18、ハクソー・ジム・ドゥガン)
18.アルティメット・ウォリアー(14、ワンマン・ギャング)
19.ワンマン・ギャング(19、ハクソー・ジム・ドゥガン)
20.ジャンクヤード・ドッグ(15、ディノ・ブラボー)
一見地味なメンバーな気がしないでもありませんが、よく見てみるとクセ者揃いな感じでもあります。90年代のWWEスーパースターでもあるブレット・ハートがなんか若造な印象を受けるのもこの中だと若手だからでしょう。アルティメット・ウォリアーのペイントが結構大人しいのはまだキャラ立ちしていないからでしょうか。
さて、ランブルマッチといえばもっとも多くのレスラーを落としたか?というのも見所の1つです。優勝したハクソー・ジム・ドゥガンとワンマン・ギャングがそれぞれ5人落としました。まあ大型レスラーが有利なのは今も昔も変わらないようです。栄光の第1回ランブルマッチ優勝者となったドゥガンにとってWWEでの唯一の勲章となりました。この企画は見事成功し以降レッスルマニアと並ぶ4大大会の1つとなりました。もっともこの時点では優勝者がレッスルマニアのメイン出場権獲得という特典はありませんでしたが。